当記事では、ボートレースのモーター調整・整備や、モーターの部品交換・セット交換についてまとめています。
レース結果に大きな影響を与えるモーターは規定内で自由に調整・整備可能
レース結果に大きな影響を与えるモーター。
ボートレーサーにとって、モーター調整・整備力はレースに勝つために必須のスキルです。
ボートレーサーが出場期間中に使用するモーターは事前抽選によって振り分けられます。
振り分けられたモーターの調子が良い・選手の乗りやすい状態であればほとんど調整する必要がないこともありますが、逆に勝率が低い・調子の悪いモーターが振り分けられた場合、ボートレーサーはレースで勝負ができるモーターにするため、規定内で調整・整備を行うことになります。
ボートレース場には整備士さんがいますが、実際に整備・調整ができるのはボートレーサーのみ。
整備士さんはモーター調整・整備のための部品交換の許可を出したり、整備における指導・アドバイスを行っています。
尚、モーターは年に一度新品モーターに交換されます。(交換時期はボートレース場により異なる)
新品モーターがおろされて数か月間はモーター勝率が安定せず、舟券予想の参考にしずらい期間といえます。
ボートレースの部品交換
ボートレーサーは規定の範囲内でモーター・プロペラを調整・整備することが可能です。
しかし、モーターには性能差があり、各部品は消耗品で劣化してしまうこと、過去の転覆などによる水没による影響も受けるため調整だけではどうすることもできないことがあります。
調整だけではどうしようもない場合、部品交換を行います。
モーター調整・整備で部品交換をする際の9つのパーツをご紹介します。
①プロペラ
プロペラはモーターに取り付けられる2枚ばねで、「ペラ」と呼ばれています。
ボートレーサーがハンマーで叩き調整を行うため、重要な調整ポイントであり、選手特徴が出やすい部分です。
プロペラ交換は事故などで破損した場合のみ交換することができますが、最終的な判断権は競技委員長にあり、選手が自由に交換することはできません。
②ピストン
ピストンはモーターのエネルギーを生み出す、シリンダーの中を高速で往復運動する部品です。
ピストン交換は上下2つのバランス調整の意味合いが大きく、主に出足(スタート時の加速力)をアップさせたいときに行います。
③ピストンリング
ピストンリングはピストンの動きをサポート・滑らかにするための部品です。
モーター性能に多大な影響を及ぼす傾向があり、モーター調整の重要なポイントの1つではありますが、摩耗により頻繁に交換される部品でもあります。
新品・中古とそれぞれ傾向があり、選手によって好みも分かれます。
④ギヤケース
ギヤケースはモーターとプロペラを繋げる部品です。
プロペラと直結するため選手は感触に気をかけ、整備によっては、出足をアップさせたり伸びをつけることができます。
⑤キャブレタ
キャブレタはモーターのパワーユニット部分で、モーターの中で燃焼しやすいように霧状の混合気にして送り出す部品です。
キャブレタ調整によってモーター性能が変わるため重要なポイントではありますが、天候・季節による湿度の変化に応じて性能向上を目的として交換されることも少なくありません。
⑥電気系統一式
電気系統は点火プラグに送る電気を発生させる部品で、一部を交換することはできないため一式交換を行います。
主に転覆などで水没しモーターが濡れてしまった際に交換されることが多く、交換することで燃焼効率が上がるためモーター性能が上がります。
⑦クランクシャフト
クランクシャフトはピストンの往復運動を回転運動に転換させるための部品です。
モーターの心臓とも言われ、部品の中でも価格が高価であることから滅多に交換は行われません。
衝撃等でクランクシャフトにねじれや歪みが生じると全体的にモーターの性能が落ちてしまい、他の調整・整備を尽くしてもモーター性能が向上しない場合、最終手段として交換を行います。
⑧シリンダーケース
シリンダーケースはピストンとシリンダーが収まっている、ピストンの通る筒状の部品です。
ピストンとの摩擦ですり減り出力に影響する部分ですが、交換した際の調整・整備が難しいとされる部品であり通常交換機会は少ないため、シリンダーケースが交換されている場合はモーター性能が悪い場合が多いといわれています。
⑨キャリアボデー
キャリアボデーは排気ガスの通り道で、モーターの胴体となる部品です。
排気効率を変化させ、モーター性能の向上を狙って交換させることが多い部品といえます。
ボートレースのセット交換とは
セット交換とは、モーターパワーに大きく関わるといわれているピストン2個・ピストンリング4本・シリンダーケースを丸ごと交換すること。
ボートレースで使用するモーターは年に一度新品に交換されますが、前年に使用されていた素性の良いモーターが何基か取り置かれており、取り置かれたモーターから部品を取って交換が行われています。
大掛かりな整備となりますが、セット交換をすることでモーターの動きが一変することもあります。
2024年大村開催のSGではセット交換禁止措置が取られた
2024年7月にボートレース大村で開催されたSGオーシャンカップでは、モーター性能を大きく変える可能性のあるセット交換の禁止措置が取られました。
具体的には事故などの影響による変形時を除きシリンダーケースの交換は禁止・キャリアボデー交換は抽選で1回までに制限(もとに戻すことは可能)の2点です。
交換禁止措置が取られた背景としては、直前にボートレース尼崎で行われたSGグランドチャンピオンにおいて、出場選手のうち24名もがセット交換を行い、交換を行った多くの選手がモーター性能のアップに成功・開催期間中に舟足が変化し続けるという事態になったことが影響していると考えられます。
現時点では2024年7月にボートレース大村で開催されたSGオーシャンカップでのみ適用されたルールとなっていますが、今後の状況を鑑みて、いずれセット交換のルールが変更になる可能性もあるかもしれません。
部品交換情報は舟券予想の参考の1つになる
ボートレースでは、レース前に部品交換情報をチェックすることができます。
部品交換をしているから必ずしもモーターの調子が悪いというわけではなく、さらなるモーター性能向上を目指して部品交換を行っていることも考えられます。
直前に転覆などの事故が起きている場合は、部品交換をせざるを得ない場合もあります。
部品交換情報は舟券予想の参考の1つにはなりますが、どういった理由で部品交換が行われたのか、レース前のスタート展示・展示航走なども参考して、部品交換によって良い効果が出ているのかを併せて確認するのがおすすめです。
まとめ
当記事では、ボートレースのモーター調整・整備や、モーターの部品交換・セット交換についてまとめてみました。
ボートレーサーにとって、レース結果に大きな影響を与えるモーターの調整・整備力は必須のスキルです。
選手の調整・整備スキルは高いのか、各部品の交換が舟足にどういった影響を与えるのか、部品交換をしたことでモーター性能を向上させることができたのか、部品交換情報やレース前の展示を事前に確認することで、舟券予想の参考にすることができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。